本研究領域では、アルゴリズム技術および理論計算機科学に興味を持つ若手・中堅の有力な研究者集団をより一層活性化し、その先の社会変革の源泉となる成果を生み出すような研究活動を促すことを目指している。公募申請者が専門分野として個人的に強みを持つ理論や技法の知見をベースとして、以下の研究項目に示すような本研究領域の活動に資する研究提案を募集する。
Group A
- 研究項目 A01:
- 情報科学分野の未来を切り開く新しい問題群を議論し、新しいアプローチによるアルゴリズムを設計する。
- 研究項目 A02:
- 理論計算機科学の成果を広く社会に利用可能な形として実装するための研究開発を行う。
Group B
- 研究項目 B01:
- 理論および実装の研究者が互いのマインドを理解しながら、指数関数的に大規模な離散構造に立ち向かい、その構造を利用した列挙、数え上げ、グラフ、文字列処理、SATなどのアルゴリズムの設計技法を研究する。
- 研究項目 B02:
- 離散数学・アルゴリズム・最適化分野の基礎的研究、および機械学習分野(おもにオンライン最適化、深層学習)の解析、巨大グラフ、巨大データの高速・スケーラブルアルゴリズムの開発に関する研究を行う。
- 研究項目 B03:
- 量子アルゴリズムの理論と実装を接続する革新的基盤の創出を目指している。計算理論の研究知見と量子計算機を実際に利用する研究知見を融合して、古典計算機も活用しながら効果的な計算を行うための理論的基盤を構築することを目標としている。
- 研究項目 B04:
- アルゴリズムにおける基礎理論をさらに追及し展開させることを目指す。具体例としては、アルゴリズムの性能保証や精度保証、公平性、安定性、均衡性の解析、離散と連続の融合、新しい価値観に基づく計算モデルや計算量解析方法などが挙げられるが、それらに限定せず幅広く理論計算機科学に関連する研究を行う。
なお、公募研究は上記のいずれかの研究項目に所属するが、それに加えて少なくとも1つの研究項目を副所属として領域内部で設定し、分野横断的な研究活動を積極的に行うことを期待している。